「愛の不時着」と「アシガール」に見るイケメンの法則
職場では、私の右隣りに趣味の合う友達が座っていて、しばしばマンガやジブリの話題で盛り上がります。
今日の話題はマンガ「アシガール」。
NHKドラマの原作でもあり、女子の描き方がジェンダー的にもおもしろいのです。
ストーリーは、現代の女子高生がタイムスリップして、戦国時代でばったり出会った若君様に一目惚れ。
若君をお守りするために足軽になって大活躍するというスペクタクル?ファンタジー。
まず、この「女子が男を守る」という展開がgood!
「女は守られるもの」というバイアスをあっさり突破するんですよね。
さらに、主人公の唯さんは、超足が速く、若君の馬の脇にピタリとくっついて走れるというんだから、笑ってしまう。
戦場では泥はかぶるし、風呂には入れないし、馬の糞を処理するし、臭くて汚いヒロインっぷりがなんとも好印象(笑)
こんなんで、どうやって若君のハートを射止めるんですか?という状態なのだけど、若君の女性の趣味もちょっと変わってるんですよね〜(笑)
まあ、それは置いといて、この若君がなんともナイスな好青年なのです。
それで、友達とキャーキャーとミーハーぶり炸裂してたのです(笑)
まず、凛々しい。
剣を手に馬にまたがり、颯爽と駆ける姿がいい!
次に、優しい。
変てこりんな主人公なのですが、まったく差別することなく、誰にでも明るく優しく接してくれるのです。
さらに、誠実。
ナンパさ、軟弱さ、ズルさ、卑劣さ、ゼロでございます。
そして、ここが一番のポイントだと思うのですが、一途なんですね。
なぜか、変わり者の唯にベタ惚れで、とてもモテるのにほかの女性には一切目もくれない。
そこだけでも立派にイケメンだよな〜と思ってしまうのです。
戦国の世の若君ですから、側室を何人も持つことが認められているどころか、「早くお世継ぎを」と送り込まれてくるわけです。
それも、とびきりの美女で性格もよかったりするのです。
それでも、まったく関心を寄せないんですね〜。
戦国時代でも現代でも、女性たちに超モテモテ。なのに、一人のちょっと変わり者の女子に一途。
な〜んて、現実にはいないですよね〜、そんな男性。
それで、友達とキャーキャー言ってたわけです(年甲斐もなく)
で、私が、「若君に似てるよ〜」とオススメしたのが「愛の不時着」の将校のリさん。
これはいま話題の韓国ドラマで、北朝鮮の将校と、韓国の財閥令嬢で敏腕社長の国境を超えたラブストーリー。
そのリさんがなんともイケメンで、ハマって何度もリピってる女性が続出なんだそうです。
リさんは、一見寡黙な北朝鮮兵。
パラグライダーで間違って北朝鮮に落下したユンさんを自宅にかくまうのですが、社長令嬢はとてもわがまま。
不便な北朝鮮の暮らしの中で、「シャンプーはないの?リンスは?私はアロマキャンドルがないとお風呂に入らないのよ」と注文ばかり。
困ったものだとぶっきら棒に対応するリさんですが、そっけなくしながらもシャンプーやリンスを探しに行ってくれるシャイだけど実は優しいという、多くの女性がキュンキュンするタイプのイケメンです。
麺を自分でこねておいしい料理を作ってくれたり、普段は飲まないコーヒーをわざわざ入れてくれたり、そっと支えてくれるタイプ。
アシガールの若君と同じく、凛々しく優しく誠実、三拍子そろっている上に、イケメンには絶対に欠かせない一途さも。
許嫁がいるのに、断ってしまうんですよね。
アシガールと違うのは、こちらでは命を狙われるのはユンさんの方で、ユンさんを助けるために、リさんは命がけで戦い、華麗なアクションを披露します。
やっぱり、自分のために命がけで戦ってくれるというのは、女子の夢なんですかね〜。
お姫様願望というか、バイアス入ってる面ではあるんだろうなぁと思います。
そこは、アシガールの方が一歩新しいのかもしれませんね。
もう一つ、2つの作品世界に共通するのは、異世界に紛れ込み、異なる文化の中で驚いたり、異なる価値観を発見したりがあるところです。
とくにアシガールの方は、まったく時代が違う男女が出会い、側室を持つのが当たり前の世界に生きる若様が唯のために現代の価値観をどんどん受け入れていくところですね。
そのしなやかさは、リさんも若君とよく似ているところだと思います。
どちらも、女性たちの願望をがっしりと詰め込んだ感のあるキャラクターなのですが、その中でも一途さが繰り返し強調されるところが、女性たちの心を捉える一番の点なんだろうなという気がします。
それだけ、現実の男性の中に、ほんとに相手の人格に惚れ込んで一途に思ってくれるというタイプが少ないと女性たちが感じているから、ある意味、希少価値として、一途な男性の人気が跳ね上がるんじゃないでしょうかね?
ドラマやマンガの男性がキャーキャー言われるのは、現実の男性の貧弱さが原因なんではなかろうか?と思ってみたり・・・。
みんな、いい出会いに恵まれて、幸せになるといいなぁと、ふと思ってしまいます。
斯く言う私は、夫とつきあいはじめて30年がたとうとしていますが、つきあいはじめたころと変わらず、いまも優しく大切にされていて、結構、希少価値のある側に恵まれたのかもしれないなぁ、とチラッと思ってみたり。
まあ、ポッコリおなかのおじさんで、そもそも全然モテないですし、そういう意味ではどこにでもいるから、希少価値はないかな、うん、全然ないな(笑)